脊髄髄膜瘤瘤被膜の病理組織学的検討

  • 伊東 大
    宮崎大学医学部附属病院外科学講座形成外科学分野
  • 渡邊 龍志
    宮崎大学医学部附属病院外科学講座形成外科学分野
  • 細井 聡士
    東京女子医科大学形成外科

書誌事項

タイトル別名
  • Histopathological Analysis of the Sac Membrane in Meningomyeloceles

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説明

<p> 脊髄髄膜瘤の治療において,脳神経外科による脊髄形成術・髄膜瘤還納術後,皮膚軟部組織欠損部の被覆を形成外科に依頼されることが多い。欠損範囲が小さい場合は一次的縫縮が可能であることが多いが,欠損が広範な場合は植皮・筋皮弁・局所皮弁を用いた再建が必要となり,これまでにさまざまな再建方法が報告されている。今回,われわれ通常破棄されていると思われる脊髄髄膜瘤上の脆弱な膜様組織(以下瘤被膜)の病理組織学的検査を行い,植皮片として利用が可能であるかを検討した。瘤被膜の病理組織学的検査では,全症例において正常な皮膚構造を有していたが,一方で通常存在しない神経様組織が含まれていた。この結果より,瘤被膜を植皮片として利用した場合は,術後厳重な経過観察が必要であり,一時的な創閉鎖目的に瘤被膜を使用する利用価値はあると考えられた。</p>

収録刊行物

  • 創傷

    創傷 12 (3), 127-132, 2021

    一般社団法人 日本創傷外科学会

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