2-クロロプロペンの接触水素化による化成品前駆体合成

  • 杉山 茂
    徳島大学大学院社会産業理工学研究部応用化学系
  • 円藤 詩乃
    徳島大学大学院先端科学技術教育部化学機能創生コース
  • 諸山 哲平
    徳島大学大学院創成科学研究科応用化学システムコース
  • 日和田 有香
    徳島大学理工学部応用化学システムコース
  • 霜田 直宏
    徳島大学大学院社会産業理工学研究部応用化学系

書誌事項

タイトル別名
  • Synthesis of Chemical Precursors <i>via</i> the Catalytic Hydrogenation of 2-Chloropropene
  • Synthesis of Chemical Precursors via the Catalytic Hydrogenation of 2-Chloropropene

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抄録

<p>アリルクロライドは,医薬品のアルキル化剤や合成樹脂の架橋剤の原料として使用されるため,有機塩素化合物に関連する生産現場ではよく使用され,製造されている。しかし,このアクリルクロライドの製造過程で,用途の少ない2-クロロプロペン(2-PEN)が副生し,問題となっている。本研究では,2-PEN の有効利用を目的として,2-PENの接触水素化により,汎用性の高い化成品前駆体である2-クロロプロパン(2-PAN)とプロピレンの合成を検討した。また,触媒にはOleMax 201,OleMax 301,OleMax 600,HyFlex 500 などの市販のパラジウム触媒を用いた。反応温度348 KにてP(H2)=13.5 kPaおよびP(2-PEN)=8.8 kPaの反応条件下で, OleMax 600(0.5 g)触媒を用いたときに2-PANの収率(10.6 %)が最大となった。一方,P(H2)=7.9 kPaとし,それ以外は同じ反応条件において,HyFlex 500(0.5 g)触媒を用いたときにプロピレンの収率(26.0 %)は最大となった。OleMax 201触媒を用いた場合,2-PENの転化率,プロピレンの選択性,およびプロピレンの収率が,それぞれ8.9,100,8.9であった。このことからOleMax 201触媒を用いることで,プロピレンが選択的に合成できることが明らかとなった。一方,2-PANを選択的に合成する触媒は現在のところ見つかってはいない。触媒活性にはパラジウムの担持量は強く影響したが,比表面積や塩基性および酸性などの物性は触媒活性には影響しなかった。</p>

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