へき地診療所看護職の就業状況実態調査

DOI オープンアクセス
  • 立石 愛美
    日本アイ・ビー・エム(株)GBS. ヘルスケアデリバリー
  • 山内 豊明
    放送大学大学院文化科学研究科生活健康科学

書誌事項

タイトル別名
  • Working Status Survey of Nurses at Clinics in Rural and Remote Areas

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抄録

へき地医療の現場では,医師の長時間労働が課題となっているが,これまで看護師を対象にした就業状況に関する調査は実施されていない.本研究では,へき地診療所の看護職の雇用,勤務形態等を調査し,就業状況に関する看護師の課題を探索することを目的とした.  全国のへき地診療所(1,038か所)を対象とし,独自に作成した質問紙調査を行った.159か所の診療所に従事する看護職509名より,378部(回収率74.2%)の返送を得られた.そのうち231部を分析対象 (有効回答率61.1%)とした. 本研究の参加者は,8割が40歳代以上で,全体の9割が臨床経験年数10年以上の看護職であった.半数以上の看護職が自らへき地診療所での勤務を志望し,8割以上がやりがいを持っていた.仕事に対して強い不満や悩みのある者は58%いた.看護職の勤務形態には日勤,当直や待機があり,1日あたり60分以上の時間外労働をした者は約17%であった.6割の看護職に離職願望があった.看護職の約半数が年次休暇を10日以上取得した一方で全く取得できていない者もいた. へき地診療所の看護師における就業状況に関する課題は,全く休暇を取得できない看護師が存在し,休暇取得のための仕組みが不明であること.また仕事に関する悩みや不満を持つ看護職が存在しているが,へき地診療所での看護職の業務内容が明らかにされていないことである.今後は,さらなる調査を行い,へき地診療所の看護職の業務内容を明らかにする必要がある.

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