小中高校生の病気と病気の友達に対するイメージの質的研究

書誌事項

タイトル別名
  • Qualitative study of elementary, middle, and high school student images of Children with Chronic Diseases
  • ショウチュウコウコウセイ ノ ビョウキ ト ビョウキ ノ トモダチ ニ タイスル イメージ ノ シツテキ ケンキュウ

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説明

<p> 慢性疾患の子供が増えている。慢性疾患の子供の生活の質を高めるためには、周囲の子供の理解は必要不可欠である。その子供たちに病気の友達の理解を促す教育をするためにはまず、病気と病気の友達に対するイメージを知る必要がある。そこで本研究の目的は、小中高校生が病気や病気の友達に対してどのようなイメージを抱いているかを明らかにすることである。2013年11月~12月に小学校2、4、6年生(172名)、中学校2年生(30名)、高校2年生(165名)を対象に、病気や病気の友達に対して感じることや考えることについてDraw-and-Write technique法で調査した。結果の分析は、対象者の自由記述による回答をコード化し、カテゴリー分類した。倫理的配慮として、調査前に対象校の同意を得た。</p><p> 病気に対するイメージでは、【人間としての成長】と【病気に対する漠然とした拒否感】の2つのコアカテゴリーが得られた。病気の友達に対するイメージでは、【共感的な思いや関わり】と【友達としての隔たり】の2つのコアカテゴリーが得られた。このように、小中高校生は病気や病気の友達に対して拒否的なイメージをもつ一方で、共感的なイメージももっており、相反する思いを抱いていることが明らかとなった。これらのイメージは年齢があがるにつれ、身体的な面だけでなく、精神的・社会的な面からも捉えられるようになることが分かった。しかしながら、病気の友達の「将来への不安」、特に「学校生活上の困難」についてイメージが乏しいことが示された。</p><p> よって、学校教育において病気や病気の友達を理解し、子供たちが共に支えながら生きることを学ぶ機会を作る必要性が示唆された。</p>

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