難リサイクル性印刷物の新規判別法の開発とその運用

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  • ナン リサイクルセイ インサツブツ ノ シンキ ハンベツホウ ノ カイハツ ト ソノ ウンヨウ

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抄録

<p>近年,印刷物の多様化が進み,系内へのUVインキ印刷物等のリサイクル性の低い印刷物混入によるダートトラブルが増えてきている。そこで,それら難リサイクル性印刷物の系内持込み低減のため,リサイクル性の簡易的な判別法(ATR-IR法)の開発及び工場での運用を行った。はじめに,各種上物系古紙サンプル(UVインキ,ポリスチレンコート,油性インキなど)についてIRスペクトル測定,及びそれら印刷物のラボリサイクル性(ダートの発生しやすさ)評価を行った。次に古紙サンプルのIRスペクトルとリサイクル性評価結果とを関連付け,対象印刷物を測定することで従来法よりも精度よくリサイクル性を予測できるATR-IR法を開発した。本法は,これまで工場で行っていたUVインキ印刷物の判別法よりも精度の高いものであり,工場の品質管理に貢献できるものと考える。当社2工場にて本法を用いた調査を行ったところ,工場で使用不可と判定されたベールのうち,7割以上がUVインキ印刷物であった。古紙発生量が減少していく中,古紙の適切な使用はますます重要となっている。本法の活用も含めて,現場の判別精度を高めることも重要だが,易リサイクル性UVインキの開発,UVインキを効率的に除去できる工程の技術開発を含め業界を挙げて取り組んでいくことが,今後も重要となると考える。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 75 (5), 461-468, 2021

    紙パルプ技術協会

参考文献 (3)*注記

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