男性高齢者における介護準備態勢の自己評価尺度の開発

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タイトル別名
  • Development of a Self-assessment Scale for Care Preparedness of Elderly Males
  • ダンセイ コウレイシャ ニ オケル カイゴジュンビ タイセイ ノ ジコ ヒョウカ シャクド ノ カイハツ

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抄録

<p>近年,同居の男性介護者が増加し,家事・介護と二重の困難が生じ,老老介護が問題となっている。介護に携わる前に介護に関する知識・技術を身に着けておくことは,介護生活に適応しやすく,安心して老後の生活をするうえで必要である。本研究は男性高齢者を対象とした介護準備態勢(介護に対する知識や技術の習得,介護に対する心構えの準備状態)に関する自己評価尺度を作成し,その信頼性・妥当性を検証することを目的としている。60歳以上の高齢男性介護者と訪問看護師を対象とした面接調査と先行研究の検討に基づき,25項目の尺度原案を作成した。この尺度原案を用いて,千葉市の住民または関東のA県のシニア大学受講生中の60歳以上の男性高齢者(妻帯者)568名を対象とした質問紙調査を実施した。有効な回答を寄せた274名を対象に探索的因子分析を行い,因子負荷量の低い項目を削除し,4因子17項目によって構成される介護準備態勢に関する自己評価尺度を確立した。4因子は「夫婦の愛情」,「家事遂行力」,「介護に関する知識」,「助け合う仲間の存在」と命名した。確立した尺度について共分散構造分析による検証を行った結果,CMIN=272.6,GFI=0.874,AGFI=0.825,CFI=0.915,RMSEA=0.087であり,適合度は高いと判断した。またCronbach’s α係数は尺度全体で0.85,下位因子では0.84~0.91であり,十分な内的整合性をもつと判断した。併存的妥当性については,暮らし向きは4因子全てに,主観的健康感は「介護に関する知識」を除く3因子と有意な関連が認められ,妥当性がほぼ検証された。</p><p>以上より,本研究で作成した4因子17項目により構成される男性高齢者を対象とした介護準備態勢自己評価尺度は,信頼性と妥当性を有すると判断した。</p>

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