AIによる薬効・ADMET予測とデータ共有
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- 奥野 恭史
- 京都大学大学院医学研究科 ビッグデータ医科学分野
書誌事項
- タイトル別名
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- Data sharing and prediction of drug efficacy and ADMET using AI
説明
<p> 近年、あらゆる分野において爆発的に増大し続けるビッグデータから知識発見や新たな価値を創造する科学技術として、ビッグデータ科学が注目されている。創薬・生命科学分野においても、ハイスループット技術やオミクス計測技術の著しい進展に伴いデータ爆発が起こり、ビッグデータ科学の研究開発が急務とされている。このように多種多様かつ膨大なデータに直面する最中、一方ではこれらビッグデータを解析する技術として人工知能(AI)が世界的に注目されるに至っている。ビッグデータ・AI・IoTは第4次産業革命の中心技術をされ、あらゆる分野、業界に社会変革をもたらそうとしている。</p><p> 演者は、10数年前より人工知能・機械学習技術の創薬応用に着手してきており、活性化合物のスクリーニングや自動分子デザインの技術開発を行ってきた。また、2016年の11月に、ライフ分野を対象としたAI開発を産学連携で進めるため、ライフ・インテリジェンス・コンソーシアム(LINC)を立ち上げ、創薬の一連のプロセスのAI化を目指している。</p><p> しかしながら、これまでのAI研究開発の活動の中で、課題も明らかになってきている。とりわけ、AIは既存のデータを学習させて開発するため、AIの性能に大きく影響を与えるデータ量の問題が挙げられる。日本の製薬会社は、海外のメガファーマと比べると規模も小さく所有するデータ量も海外メーカーより劣っている。そのため、ビジネス的競争関係にある複数企業のデータを共有し、高性能な創薬AIを開発することが期待されている。</p><p> 本講演では、演者が取り組む薬効・ADMET予測のためのAI開発を例に、多施設のデータ共有を秘匿性を保ちながら連合学習するAI技術を紹介するとともに、企業間でのデータ共有について議論したい。</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 48.1 (0), S19-3-, 2021
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390570486221795456
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- NII論文ID
- 130008073938
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可