移動需要に基づく鉄道運行計画決定問題に対する分解アルゴリズム

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タイトル別名
  • A DECOMPOSITION-BASED ALGORITHM FOR TRAIN TIMETABLING PROBLEM WITH DYNAMIC PASSENGERS' DEMANDS
  • イドウ ジュヨウ ニ モトズク テツドウ ウンコウ ケイカク ケッテイ モンダイ ニ タイスル ブンカイ アルゴリズム

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抄録

<p>現状の鉄道は,基本的に固定の列車ダイヤに従って運行されている.しかし,移動需要データを活用し動的にダイヤを立案できれば,利用者の利便性は向上する.動的な列車ダイヤ立案の実現に向けた研究例は多く,小規模な路線網については実用化に向けた取組みも始まっている.しかしながら,都市部に求められるような大規模な路線網を対象とする場合,解くべき最適化問題の求解時間が飛躍的に増大し,実用的な時間でのダイヤ立案が困難であるという課題があった.そこで,本論文では,計算量を路線数の線形オーダに抑制することを目標としてアルゴリズムを提案する.提案手法では,複数の路線に跨る移動需要を複数の単一路線の移動需要へと置き換えることで,解くべき最適化問題の規模を低減させ,高速化を実現する.また,解の精度低下を防止するために反復的に解を更新する手法を組み合わせることで,速度性能と解の精度維持を両立する.数値実験により,典型的な解法である局所探索法と提案手法を比較した結果,路線規模が拡大したときに提案手法は局所探索法よりも短時間で高精度の解を導出し,その有効性を確認した.一方で,提案手法の計算時間は路線数に対して線形オーダに抑えられることを期待したが,各反復における解の更新処理の計算時間が線形オーダより大きく,大規模な路線網に対しては計算時間のボトルネックになるという課題が判明した.今後は,この課題を解決し,大規模な路線網に対しても列車ダイヤを短時間で立案するための検討,評価を実施していく.</p>

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