COVID-19と小児気管支喘息

  • 土生川 千珠
    国立病院機構南和歌山医療センター小児アレルギー科 大阪大学大学院基礎工学研究科

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タイトル別名
  • COVID-19 and pediatric bronchial asthma Automatic wheezing detection device with artificial intelligence for telemedicine
  • 遠隔医療のための人工知能を搭載した喘鳴自動判別機器

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抄録

<p>COVID-19によるパンデミックは小児アレルギー疾患の診療に影響を及ぼし,遠隔医療の必要性がより重要となった.遠隔医療では,医師が直接聴診することはできないため,迅速かつ正確に喘鳴を検出できる在宅医療機器が必須であるが,現在は皆無である.</p><p>私達は2003年から気管支喘息の肺音解析を行い,在宅用喘鳴自動検出器の開発に成功した.ハンディータイプのデバイスで,マイクを右前胸部に接着させ,安静呼吸で30秒間録音する.喘鳴が記録されると光が点灯する.喘鳴音の定義に基づいたアルゴリズムを搭載し,声,心音や環境雑音を高精度にノイズキャンセリングできる.本アルゴリズムは,日本,米国,中国で検証され高精度の結果を得た.2020年,イギリスとEU 28か国で医療機器承認後,市販している.現在は,米国と中国で薬事申請中であり,日本のPMDAへも申請準備中である.本デバイスを遠隔医療に応用することで,乳幼児や思春期の今まで見過ごされた発作を検出することができ,喘息の長期予後の改善に大きく貢献できることを願う.</p>

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