デュアルKa帯レーダシステムによって測定された融解層の電波散乱特性

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タイトル別名
  • Radiowave Scattering Characteristics of Melting Layer Measured by a Dual Ka-band Radar System
  • Radiowave Scattering Characteristics of Melting Layer Measured by a Dual Ka-band Radar System : Special Edition on Global Precipitation Measurement (GPM) : 5th Anniversary

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抄録

<p> Ka帯レーダシステムにより融解層内部での減衰係数と等価レーダ反射因子を測定した。このレーダシステムは同じ仕様の二つのKa帯レーダから成っている。相対した二つのレーダの間に降水システムが入ってくると、二つのレーダは反対の方向で降水システムを観測することになる。この時、電波路上での減衰は二つのレーダエコーに対称的に現れる。測定された2方向からのレーダエコーの差のプロファイルを距離微分することにより減衰係数(k)が求められ、続いて等価レーダ反射因子(Ze)が推定される。蔵王の山腹においてこのシステムにより融解層の観測を行った。融解層ではkZeはともに大きく変化するが、k-Ze面上ではループ形状を示した。この形状の発生原因について簡単な理論的検討を行った。このループ形状は、まず降水粒子が雪から雨に変化するときの等価誘電率の変化により作られ、さらに粒子の大きさの変化により拡大される。Mie散乱の効果は、主に後方散乱係数の小さくするように働く。これらによりKa帯では融解層がピーク形ではなく棚型の高度プロファイルを持つことも説明される。</p>

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 99 (4), 1099-1114, 2021

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (24)*注記

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