ベトナムの視覚障害学生を対象とした 学修環境に関する実態調査

DOI
  • 宮城 愛美
    筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター
  • 王 鑫
    筑波大学大学院人間総合科学研究科
  • 香田 泰子
    筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター

書誌事項

タイトル別名
  • A Survey of Learning Environment for University Students with Visual Impairments in Viet Nam

抄録

ベトナム社会主義共和国(以降、単にベトナムと言う)では、教育における障害者の平等な参加を規定した「障害者法」が2011年に施行され、インクルーシブ教育に関する法や学校の整備が進んでいる。ベトナムにおける視覚障害学生の修学状況を明らかにし、学修環境改善のための知見を得ることを目的に、ベトナムの大学10校に在籍する視覚障害学生16名を対象にインタビューを行い、学修の状況と課題について調査を実施したので報告する。調査の結果、大学による組織的な対応は障害者法に基づいた最小限の経済的支援(学費の減免、奨学金の優先的授与)に限定されていた。一部の教員による授業・試験の配慮、学習資料の提供に関する支援を除けば、障害に関わる修学上の困難の多くを学生本人の自助努力により対処している状況が明らかとなった。各大学において修学支援の専門組織、担当者、規則の設置が必要である。それらの運用と共に、教職員の啓発と学内外の人的・技術的リソースの活用が、視覚障害学生の学修環境を改善する糸口になると考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390570699998361472
  • NII論文ID
    130008080579
  • DOI
    10.20744/incleedu.10.0_17
  • ISSN
    21899185
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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