新型コロナウイルス感染症の流行が救急需要に与えた影響に関する調査

  • 三橋 正典
    日本体育大学保健医療学部救急医療学科
  • 田邉 晴山
    一般財団法人救急振興財団救急救命東京研修所
  • 小川 理郎
    日本体育大学保健医療学部救急医療学科 日本体育大学大学院保健医療学研究科救急災害医療学

書誌事項

タイトル別名
  • The impact of the new coronavirus epidemic on emergency demand
  • シンガタ コロナウイルス カンセンショウ ノ リュウコウ ガ キュウキュウ ジュヨウ ニ アタエタ エイキョウ ニ カンスル チョウサ

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抄録

<p>背景:新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019,以下COVID-19)拡大による全国的な救急出動件数の変化は,明らかでない。目的:COVID-19流行が,救急需要に与えた影響とその要因を調査する。方法:政令指定都市を管轄する全国20の消防機関に救急出動件数を調査した。結果:12消防機関(回答率60%)から回答があった。過去3年間に対して2020年の各月出動件数は,4月に−15.7%と減少幅は最大となった。各事故種別減少数は,急病,交通事故,一般負傷,運動競技事故で減少し,減少数の約50%は急病が占めていた。 各事故種別の減少率は,運動競技事故が93%と最大であった。考察:救急出動件数は,全国的に初の大きな減少幅と推定される。国民が,集団感染の報告されたスポーツジムの利用を避け,スポーツ活動を控えたことで大きく減少したと考えられる。結語:救急出動件数は,急病,交通事故,一般負傷,運動競技事故で大幅に減少していた。COVID-19は,救急出動に多大な影響を与えていた。</p>

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