薬理学実習と実験動物:高知大学医学部の取組

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タイトル別名
  • Pharmacological training with small animals in Kochi University
  • ヤクリガク ジッシュウ ト ジッケン ドウブツ : コウチ ダイガク イガクブ ノ トリクミ

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説明

<p>近年の動物愛護の観点から国際的に薬理学実習では動物の使用からコンピューターを用いたシミュレーションに移行している.薬理学主任教授に行った薬理学実習に対するアンケートでも,本邦では小動物を用いた薬理学実習が主流であるがコンピューターを用いたシミュレーション実習が増加している.一方著者はこれまで小動物を用いた薬理学実習を重視してきた.そのため,高知大学医学部薬理学講座では現在「腸管律動に影響を与える薬物」「血圧に影響を与える薬物(観血式)」「中枢機能に影響を与える薬物」「シネ・ファルマコロジー」の4課題を薬理学実習に採用している.本稿では当講座が行っている実習の紹介と私が考える小動物を用いた実習の意義や実習技術の伝承について述べた.薬理学実習において小動物を使用する最も重要な意義は,講義(座学)で習った薬理学の知識と実際の生体試料(in vivoおよびin vitro)での反応に時として乖離があることを理解し,医学生が医師となったときに実臨床での対処法を考える力を身につけることである.薬理学実習の手技はそれのみを伝承していくことは教員数や予算の削減など昨今の教育体制の面から難しく,各講座が行っている実際の研究手法を薬理学実習に応用することが最も近道と考える.</p>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 156 (5), 259-264, 2021

    公益社団法人 日本薬理学会

参考文献 (4)*注記

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