兵庫県の家庭料理 行事食の特徴
書誌事項
- タイトル別名
-
- Hyogo Prefecture home cooking: event foods
- Regional characteristics of event foods
- −行事食にみる地域の特徴−
抄録
<p>【目的】兵庫県は中央部の東西に山地が横たわり,南部の河川下流には肥沃な平野が開け,北は日本海,南は瀬戸内海に面し,淡路島を擁する。各地域の気候風土の違いは個性豊かで伝統的な食文化を形成してきた。平成24〜25年度「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」聞き書き調査より兵庫県の行事食の特徴を示す。</p><p>【方法】調査した香美町香住,宍粟市千種町,丹波市,小野市,姫路市,加古川市,明石市,神戸市,淡路島の9地域の行事食の特徴をまとめた。</p><p>【結果】各地域とも年末に丸餅や鏡餅を作った。元旦の雑煮は白味噌や自家製味噌仕立てだが,千種では蛤入りのすまし仕立てで,淡路では三が日は餅を食べない所があった。お節料理は香住では鰈の煮付け,瀬戸内海沿岸では睨み鯛(鯛の塩焼),姫路や加古川と丹波では焼き穴子,明石では蛸の煮付け,淡路では男はほうぼうを女はたもりを焼くか,するめを一人一枚ずつ供することもあり,舌平目入りのなますやなまこの酢の物があった。雛祭りは千種では扇形の押し寿司と,糯米と玄米と豆を炒ったおいり,瀬戸内海沿岸では餡入りの蓬餅,淡路ではベラと海老のおぼろをのせたこけら寿司がみられた。端午の節句の柏餅は,ばたこ,ひょっとで,いびつ餅など地域により多様な名称があり,山帰来の葉が使われた。さなぼりやかまあげは千種では兎や鶏をすき焼きに入れ,すずこを煮付けた。盆は淡路ではいぎすを炊いて固めた。秋祭りは鯖の姿寿司を各地域で,特に千種では約50本作り,姫路では正月より祭りの桟敷料理に力を注いだ。神戸ではクリスマスケーキを購入した。日常は地域の産物中心の食事だが,ハレの日は日本海から運ばれる鯖や蛤を使う地域があり,神戸では外国文化も取り入れる特徴があった。</p>
収録刊行物
-
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
-
日本調理科学会大会研究発表要旨集 32 (0), 170-, 2021
日本調理科学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390570777737796096
-
- NII論文ID
- 130008085620
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可