照明が絵画の印象に及ぼす効果

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タイトル別名
  • Effects of lighting on impression of paintings

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説明

<p>現在, 博物館・美術館の展示には資料保存の観点から50lx, 150lxの照度が推奨されるが, 日常生活空間が1000lx前後である(安齋, 2013)ことから多くの展示では比較的暗い照明が用いられているといえる.これに対し作品の印象の観点から西川・北岡(2019)は照度・色温度による絵画の印象変化を検討し, 特に照度については50lx, 150lxより1350lxのとき絵画はより美しい, 快い, 動的な, 好きな, 暖かい, 安心する等と感じられ, 恐ろしさ, 不気味さ, 寂しさは相対的に暗い照明で評価が高くなることを示した.しかし, 多くの博物館・美術館では暗い展示室に行くまでに徐々に目を順応する工夫がされており, 西川・北岡(2019)は絵画を提示した状態で連続して照明を変え, その際順応が不十分であった可能性がある.よって, 本研究では十分な順応時間を設定し絵画の印象変化を検討した.その結果, 美しさ, 好ましさ等は照度により違いがみられず, 西川・北岡(2019)は順応が十分でなく, また前の照明条件と比較が可能なため, 比較による差を捉えたものであった可能性が考えられる.しかし, 動的な, 暖かい等の印象は順応しても明るいとき評価が高く, 不気味さ, 寂しさも暗い照明でより演出されることが明らかになった.</p>

収録刊行物

  • 日本色彩学会誌

    日本色彩学会誌 44 (3+), 141-, 2020-05-01

    一般社団法人 日本色彩学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390570777738051840
  • NII論文ID
    130008084860
  • DOI
    10.15048/jcsaj.44.3__141
  • ISSN
    2189552X
    03899357
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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