とりたて詞の極性とフォーカス解釈

書誌事項

タイトル別名
  • Polarity and Focus Interpretation of <i>Toritate</i> Particles
  • トリタテシ ノ キョクセイ ト フォーカス カイシャク

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抄録

<p>本稿はとりたて詞「も」「は」の統語的・意味的特徴を説明する新しい分析を提出する。「も」は否定文,「は」は肯定文において生起位置にとどまることができないが,この事実は「も」「は」が異なる極性素性を持つと想定することで説明される。また,否定文において「も」と「は」が異なるスコープ読みを持つ事実もこの「極性」の考えによって説明できる。先行分析と異なり,本稿はとりたて詞をフォーカスではなく「新情報」のマーカーであると考える。これにより,とりたて詞の統語的・意味的特徴がある種の節では見られなくなるという「節の非対称」もうまく扱うことができる。本稿の議論はフォーカス解釈の一般理論にも修正を迫ることになる。フォーカスは必ず広いスコープ読みを持ち,いわゆる再構築は適用しないと主張する。</p>

収録刊行物

  • 言語研究

    言語研究 136 (0), 121-151, 2009

    日本言語学会

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