当施設における再肝移植の経験

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説明

<p>目的:当施設における再肝移植症例の成績を検証する。対象と方法:1995年から2019年までの当施設の再肝移植症例8例について再移植時の短長期成績を調べた。また、手術時期から再移植症例を2群(前期[1995-2015]:4例、後期[2016-2019]:4例)にわけて臨床項目を比較した。結果:再移植例8例(成人3例、小児5例)は全例生体移植後の生体移植例であった。再移植の原因はAMR 1例、原病再発3例(PSC, 肝芽腫, 乳児期劇症肝炎)、肝動脈血栓症と門脈閉塞の合併1例、慢性期グラフト不全3例であった。初回移植から再移植までの期間は2236日(10-4529日)、再移植後1/3/5年生存率は63/63/63%であった。術後死亡3例(成人1例、小児2例)はいずれも前期群で、死因は誤嚥性肺炎、出血、難治性ACRであった。前期群(成人1例、小児3例)と後期群(成人2例、小児2例)の比較では、手術時間(1535分、819分、P=0.133)、出血量(6290ml、1144ml、P=0.267)、血管・胆管合併症(3例、1例、P=0.486)、術後在院期間(155日、53日、P=0.114)であり、後期群が良い傾向であった。全生存期間は(155日、NA、P=0.040)と有意に後期群が良好であった。結語:近年、再肝移植手術の短長期成績が向上しつつあるため、その適応を拡大できる可能性がある。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 55 (Supplement), 344_3-344_3, 2020

    一般社団法人 日本移植学会

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