平成30年7月豪雨災害により広島県で発生した土石流における森林の土砂流出減勢効果

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タイトル別名
  • Soil Erosion Reduction Effect of Forest, Focusing on the Debris Flow Caused by the Heavy Rain Disaster in July 2018 in Hiroshima Prefecture
  • ヘイセイ 30ネン 7ガツ ゴウウ サイガイ ニ ヨリ ヒロシマケン デ ハッセイ シタ ドセキリュウ ニ オケル シンリン ノ ドシャ リュウシュツ ゲン ゼイ コウカ

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抄録

<p>2018年7月5日から8日にかけて西日本を中心に全国的に広い範囲で記録的な大雨となった。この降雨を誘因として広島県内では土石流等の土砂災害による甚大な被害が生じた。一方で,土石流が森林内で停止し,道路・住宅等に大きな被害が及ばなかった箇所も確認されている。土砂流出防備効果の高い森林 造成の基礎資料とするため,森林による土石流の減勢が確認された広島県東広島市の黒瀬地区と八本松地区において,森林および土石流の減勢・停止状況の把握を行った。 調査の結果,土石流の停止区間付近における土砂の停止形態と森林の特徴は次のようであった。①森林による土砂流出の減勢は傾斜10°前後の区間で発現した。②大径木からなる林帯のみでなく,胸高直径が10cm 程度の小径木が主体の林相においても土砂流出防止機能は確認された。③小径木主体の林相での土石流の停止形態としては,立木との衝突などでローブ(舌状の堆積地形)が形成され,その平坦面で後続土砂が減勢・ᷖ回することを繰り返すものであった。④側方の立木による土石流流下幅の拡大抑制が確認された。</p>

収録刊行物

  • 水利科学

    水利科学 64 (2), 21-42, 2020-06-01

    一般社団法人 日本治山治水協会

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