診断に苦慮した生体腎移植後肺アスペルギルス症の1例

DOI
  • 齋藤 拓郎
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 齋藤 満
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 山本 竜平
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 提箸 隆一郎
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 嘉島 相輝
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 小泉 淳
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 奈良 健平
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 沼倉 一幸
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 成田 伸太郎
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 佐藤 滋
    秋田大学医学部附属病院 腎疾患先端医療センター
  • 羽渕 友則
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座

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抄録

<p>症例は56歳、女性。妊娠中毒症を契機として腎機能が低下し、41歳時に血液透析導入。夫婦間生体腎移植を希望し当科受診。DSA陽性でnMFI値が高く術前にRituximab 200 mg/bodyを1回投与、新鮮凍結血漿を用いた血漿交換を4回施行した。2019年7月にABO血液型適合生体腎移植術を施行。移植後は軽度の脳梗塞を発症するも後遺症無く回復。全身状態、移植腎機能とも良好で明らかな拒絶反応を認めず、当初の予定通り退院した。腎移植後8カ月が経過した2020年3月初旬から微熱が持続し、その後38度台の発熱となり近医受診。発熱以外の自覚症状は無く細菌尿を認めたため尿路感染症として抗生物質投与で解熱するも投薬終了後に再び発熱したため当科受診。細菌尿及びCMVアンチゲネミアの陽性化を認め抗生物質及びVGCV投与を開始。速やかに解熱するも抗生物質投与が終了すると再び発熱。全身CTで右肺に境界明瞭な類円形の腫瘤像を2つ認め、精査加療目的に当科入院。呼吸器内科にコンサルトするもあらゆるマーカーが陰性。気管支鏡検査でBALを行うも確定診断に至らず退院。抗生物質投与期間中のみ解熱が得られていた。フォローの胸部レントゲン写真で右肺腫瘤陰影の増大を認め再度気管支鏡検査でBALを行い、最終的に肺アスペルギルス症の診断を得た。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 55 (Supplement), 388_1-388_1, 2020

    一般社団法人 日本移植学会

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