婦人科がんサバイバーの就労に影響を及ぼす要因

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タイトル別名
  • Factors Affecting Employment of Gynecological Cancer Survivors

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抄録

<p>本研究の目的は,婦人科がんサバイバーの就労継続上の困難,離職に影響を及ぼす要因,就労継続に影響を及ぼす要因を明らかにし,就労支援への示唆を得ることである.対象者は婦人科がん診断時に就労しており,調査時も就労している者20名,診断時に就労していたが,調査時に離職していた者6名を対象に半構造化面接を行い,Krippendorffの内容分析法を用いた.</p><p>分析の結果,婦人科がんサバイバーの就労継続上の困難として,【治療の有害事象・後遺症による就労への支障】【セルフマネジメントに対する困難感】【見通しがつかないことへの不安】【自己イメージ・女性性の変化にともなう辛さ】【医療者・医療機関による就労支援の欠如】などが抽出された.離職に影響を及ぼす要因は,【職場における就労支援体制の欠如】【再発への懸念】【精神疾患の発症】などであった.一方,就労継続に影響を及ぼす要因は,【治療の有害事象・後遺症に関する情報探求】【治療の有害事象・後遺症に対するセルフマネジメント】【職場での病名・治療計画開示】などの対処に加え,【病状に対する理解・配慮が得られる就労環境】【高い就労意欲】【医療者による就労支援】などの支えであった.婦人科がんサバイバーの就労継続には,診断時から生活と治療の場で継続的に関わることができる看護師が主体となり,多職種連携による包括的な就労支援の重要性が示唆された.</p>

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