3. グルコースの連続的位置選択的官能基化に基づく二量体エラジタンニンcoriariin Aの全合成(口頭発表の部)

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  • 3. Total Synthesis of the Dimeric Ellagitannin, Coriariin A, through Sequential Site-selective Functionalization of Glucose

抄録

エラジタンニン類は1910年代から知られている化合物群であり、その抗腫瘍活性や抗ウイルス活性が再注目され、近年活発な研究対象となっている。二量体エラジタンニン類の一種であるcoriariin A (1) は1986年に奥田ら1)によってドクウツギの葉から単離され、免疫賦活作用による抗腫瘍活性2)を示すことが報告されている。2000年にFeldmanら3)によって、適切に保護されたグルコピラノシド2を鍵中間体とし、初の全合成が達成された。本全合成では、全15工程の内約半数の7工程をグルコースから中間体2への変換に費やしている (Scheme 1)。一方、当研究室では糖水酸基に保護基を用いない直線的な経路での配糖体天然物の全合成に取り組み、無保護グルコースを出発物質とし、グルコースの水酸基に一切保護基を用いずに5つの水酸基を順次位置選択的に官能基化していく手法により、単量体エラジタンニンであるstrictinin 4)、tellimagrandin II 4)及びpterocarinin C 5)の短工程全合成を達成している。今回、本手法を二量体エラジタンニンで巨大な構造 (分子量 : 1875、分子径 : ~3 nm) を持つcoriariin A (1) の全合成へと適用し、グルコースから7工程で達成した。 【逆合成解析】 Scheme 2に示した逆合成解析に基づき1の合成を行うこととした。無保護グルコースとジカルボン酸3との光延条件β-選択的ダブルグリコシル化によりβ,β-ジグリコシド4を合成する。4の2つのグルコース部分では6,6’位第一級水酸基が本来高い反応性を持つが、分子認識型触媒を用いる位置選択的ダブルアシル化により、4,4’位第二級水酸基がガロイル化されたジガロイル体5を選択的に得ると想定した。その後、糖水酸基本来の反応性に基づいて順次ガロイル化を行いオクタガロイル体6へと変換し、適切に保護されたガロイル基間のジアステレオ選択的ダブル酸化的カ

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390571007536344192
  • NII論文ID
    130008092809
  • DOI
    10.24496/tennenyuki.60.0_13-18
  • ISSN
    24331856
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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