小腸転移による穿孔性腹膜炎を契機に発見された原発性肺癌の1症例

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タイトル別名
  • A Case of Primary Lung Cancer Detected by Perforated Peritonitis Associated with a Small Intestinal Metastasis
  • ショウチョウ テンイ ニ ヨル センコウセイ フクマクエン オ ケイキ ニ ハッケン サレタ ゲンパツセイ ハイガン ノ 1 ショウレイ

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抄録

<p>症例は67歳,男性。右側腹部痛,黒色便を主訴に受診した。腹膜刺激症状を認め,腹部CTで小腸壁の肥厚と周囲にfree airを認めた。穿孔性腹膜炎の診断で緊急手術を施行した。Treitz靭帯より約120cmの空腸で腫瘍の穿孔を認め,小腸部分切除術を施行し,病理組織診断では未分化癌であった。術後のCTで左肺上葉に40mm大の腫瘍を認め,経気管支肺生検で小腸病変と同様に未分化癌の診断であった。全身検索で右鎖骨上リンパ節,十二指腸,右副腎に腫瘤性病変がみられ,転移と考えられた。術後合併症はなく,第28病日に退院した。最終診断は,左上葉非小細胞肺癌(未分化癌)StageⅣ,PD-L1強陽性で,ペムブロリズマブ単剤による薬物療法を開始し,術後2年8ヵ月の生存が得られている。肺癌小腸転移による穿孔性腹膜炎は予後不良であるが,臨床経過,組織学的所見から原発巣への治療を行うことで長期予後をもたらす可能性がある。</p>

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