高温による内部褐変症に強い ‘だいこん中間母本農6号’ の育成経過とその特性

  • 小原 隆由
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構野菜花き研究部門
  • 岡田 英孝
    横浜植木株式会社菊川研究農場
  • 柿崎 智博
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構野菜花き研究部門
  • 石田 正彦
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構野菜花き研究部門
  • 吹野 伸子
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構野菜花き研究部門
  • 板橋 悦子
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構野菜花き研究部門
  • 伊藤 智司
    横浜植木株式会社菊川研究農場

書誌事項

タイトル別名
  • Breeding of Radish (<i>Raphanus sativus</i> L.) Parental Line ‘Daikon Chukanbohon No 6 Go’ with High Tolerance to Internal Browning Caused by High Temperatures
  • コウオン ニ ヨル ナイブ カッペンショウ ニ ツヨイ'ダ イコンチュウカン ボホンノウ6ゴウ'ノ イクセイ ケイカ ト ソノ トクセイ

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抄録

<p>ダイコン内部褐変症は高温が原因で発生する生理障害で,気候温暖化が進行する中,夏期のダイコン安定生産への影響が懸念されている.そこで,内部褐変症に強度の耐性を有するダイコン育種素材系統の育成に取り組んだ.国内外のダイコン遺伝資源294点から内部褐変症に強い遺伝資源を検索した結果,沖縄在来品種 ‘シマダイコン’ を育種素材に選定し,実用形質に優れる固定系統10P13と交配した.後代を高温条件下で繰り返し選抜した結果,内部褐変症の発生程度が安定して低い系統を育成し,2019年に ‘だいこん中間母本農6号’ として品種登録出願した.‘農6号’ は夏期に高温となる三重県津市を含む8か所の試験地で安定して強い内部褐変症耐性を示した.本品種の内部褐変症耐性には複数の遺伝子が関与し,F1世代においては,耐性は不完全優性に発現した.F2世代では ‘農6号’ と同程度の耐性を示す個体が比較的多く出現した.</p>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 20 (3), 351-359, 2021

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (5)*注記

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