ディープラーニングを活用した乳腺濃度算出法の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Breast density calculation method using deep learning
  • - automatic quantification of the breast constitution classification from mammography images
  • ──AI による乳房構成の自動判定化を目指して

抄録

[目的]MG における乳房構成は,わが国では目視による定性的判定が主流だが,観察者間や機種間で生じる判定の不一致が課題である。われわれは乳房構成の自動判定化を目標に2017年より研究を開始した。2019年に考案した脂肪領域を基準とする乳腺濃度算出法は複数機種にて一定の精度を得たが,過度な処理を施した画像など一部に対して精度にばらつきが生じた。今回新たに脂肪領域と大胸筋を基準とする手法を検討した。 [方法]複数機種のMLO画像が混在した300例の乳腺領域/脂肪領域/大胸筋のマスキング画像を作成し,AIのアルゴリズムである U-Netモデルで学習させ,3領域の自動抽出を可能にした。大胸筋と脂肪の画素値から補正関数を求め,乳腺濃度を算出するための画像を生成し,それを基に大胸筋と同等以上の相対画素値の割合を乳腺濃度として算出した。学習用とは別の6機種のMGを1,000例用意し,乳腺濃度算出値と目視判定の関係について機種別にROC解析を行い,判定の一致度をKappa(κ)係数で調べた。また1,000例中,同一乳房を異なる機種で撮影したことのある778例を389のペア画像とし,機種間の算出値の相関を調べた。 [結果・考察]AUC 値は6機種いずれも0.80以上,高濃度群/非高濃度群のκ係数は0.61,4項目における重み付けκ係数は0.96であった。相関係数は全ての組み合わせで0.70以上であった。今後AIを活用した乳房構成の自動判定化が実現できれば,判定の統一化や読影医の労力軽減の一助として貢献できると思われた。

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参考文献 (2)*注記

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