位置選択的不飽和化反応を用いたシキミ属天然物の全合成

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抄録

C-H酸化やC-Hアミノ化をはじめとするC(sp3)-H結合の選択的官能基化は,合成終盤で官能基を導入できるため複雑な構造を有する天然物合成における有用な手法であり,近年盛んに研究されている.一方,不活性なC-H結合の切断を伴う不飽和化による選択的なアルケン形成を天然物合成に用いた例はほとんどない.今回Zhangらは,配向基を用いない位置選択的な不飽和化反応による,合成終盤でのアルケン形成を鍵としたシキミ属セスキテルペンの全合成を達成したので紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Qiu Y., Gao S., Nat. Prod. Rep., 33, 562-581(2016).<br>2) Johnson J. A. et al., J. Am. Chem. Soc., 124, 6900-6903(2002).<br>3) Shen Y. et al., J. Am. Chem. Soc., 143, 3256-3263(2021).<br>4) Camelio A. M. et al., Org. Lett., 13, 1517-1519(2011).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 57 (10), 940-940, 2021

    公益社団法人 日本薬学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390571039716519296
  • NII論文ID
    130008095679
  • DOI
    10.14894/faruawpsj.57.10_940
  • ISSN
    21897026
    00148601
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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