運動強度設定の違いが聴覚刺激によるdual-task 中の脳血流に及ぼす影響

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抄録

<p><tt>要旨</tt> <tt>本研究では</tt>65 <tt>歳以上の要支援高齢者を対象として,運動強度設定の違いが聴覚刺激による</tt>dual-task <tt>中の脳血流に及ぼす影響を検討するために,</tt>2 <tt>種類の認知課題を用いて前頭葉ワーキングメモリ領域の脳血流反応を検討した.その結果,全対象者とも</tt>30<tt>%強度,</tt>50<tt>%強度と運動強度が強くなるに連れて,血中の酸素化ヘモグロビン濃度(</tt>oxy-Hb<tt>)が高くなる傾向を示した.また,</tt>30<tt>%強度において左前頭前野のほうが右前頭前野よりも高値を示す傾向が見られ,その他の運動強度や課題での左右差は認めなかった.二元配置分散分析の結果では,運動強度</tt>(30<tt>%と</tt>50<tt>%</tt>)<tt>と課題(運動のみ,オーディオブック,計算)における交互作用は認められなかった.また,主効果においては,運動強度に差が認められ,低強度より中等度の方が</tt>oxy-Hb <tt>が有意に上昇した.これらの結果から,要支援高齢者に用いる</tt>dual-task <tt>トレーニングとしては,低負荷に比べ中等度の運動負荷で前頭葉が有意に活性化することが示唆された.また,聴覚刺激によるオーディオブックは,従来から標準的に使われている計算課題と同等の脳血流反応が認められたことから,聴覚刺激による</tt>dual-task <tt>もトレーニングアイテムとして有効であることが考えられた.</tt></p>

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