当科における顎下腺唾石症例の治療法の選択

  • 新川 智佳子
    山形市立病院済生館耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 渡邊 千尋
    山形市立病院済生館耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 金子 昌行
    山形市立病院済生館耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 大澤 悠
    山形市立病院済生館耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 那須 隆
    山形市立病院済生館耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Treatment Strategies for Submandibular Gland Sialolithiasis
  • トウ カ ニ オケル ガクカセン ツバセキ ショウレイ ノ チリョウホウ ノ センタク

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抄録

<p> 顎下腺唾石症に対する治療は, 唾液腺管内視鏡の出現により, 従来行われてきた顎下腺摘出術や口内法に加え, 唾液腺管内視鏡下摘出術, 内視鏡補助下口内法という選択肢が増え, 治療選択の幅が広がった. 唾液腺管内視鏡は外切開を必要としないのが大きな利点であるが, 術中に唾石摘出に難渋する症例も経験したことから, どのような症例にどの術式で対応すべきか判断に迷うことがある. そこで本検討では, 顎下腺唾石症症例の詳細を検討することで, 当科における顎下腺唾石症例の治療方針を立てることを目的とした. 検討の結果, 12歳以下の症例の83.3%が内視鏡単独で唾石を摘出できており, 年齢による制限を設ける必要はないと考えられた. 手術時間, 麻酔時間は口内法が最も短く, 口内法の利点と考えられた. 内視鏡下摘出術を予定した症例の検討では, 唾石の最小径が 3~4mm 以下であれば内視鏡単独で摘出できる可能性が高いと考えられた. 唾石の位置については, ワルトン管内であれば内視鏡で摘出できる可能性が高いが, 顎下腺移行部に唾石がある場合には, 唾石の陥頓やワルトン管の狭窄により内視鏡補助下口内法や顎下腺摘出術に移行せざるを得ない可能性が高いことが分かった. 外切開が必要となる原因として, 年齢や唾石の大きさ, 病悩期間, 急性感染の有無について検討を行ったが, 一定の傾向は得られなかった. 上記結果を考慮し, 当科における顎下腺唾石症の術式選択を報告した.</p>

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参考文献 (7)*注記

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