直接シークエンス法による大腸癌手術症例における <i>p53</i> 遺伝子変異の予後の検討

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タイトル別名
  • Prognostic significance of <i>p53</i> mutation in surgically treated colorectal cancer: a prospective study using direct sequencing method
  • Prognostic Significance of P53 Mutation in Surgically Treated Colorectal Cancer : A Prospective Study Using Direct Sequencing Method

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抄録

 大腸癌手術 131例について,p53遺伝子変異の臨床病理学的因子と予後との関連を検討した.キャピラリー電気泳動による直接シークエンス法を用いて,p53遺伝子の exon 5-9 の変異を検出した.大腸癌 131症例中 45例 (34%) に 47個の変異を認めた.臨床病理学的因子では,リンパ管侵襲陽性群 (p=0.03) とリンパ節転移陽性群 (p=0.02) において有意に変異がみられた.Kaplan-Meier法で p53変異陽性群は予後不良の傾向がみられたが,有意差はなかった (p=0.078).exon別では,exon 7 は野生型と比し有意に予後不良であった (p=0.041).多変量解析で p53変異陽性群は相対危険度が 1.650 で,予後不良因子であった (p=0.015).exon 7 は,別の exon やある特定部位の変異と同様に有意差が認められなかった.大腸癌において p53遺伝子変異の検討は予後予測に有用であると考えられた.

収録刊行物

  • 弘前医学

    弘前医学 56 (2-4), 69-78, 2005

    弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会

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