各種バイオマス原料から液体輸送燃料への触媒変換

  • 劉 彦勇
    (国研)産業技術総合研究所 エネルギープロセス研究部門

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タイトル別名
  • Catalytic Conversion of Various Biomass Feedstocks to Liquid Transportation Fuels

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抄録

<p>著者の研究に基づいて,本総合論文は各種バイオマス原料から液体輸送燃料を製造する化学プロセスに含まれる触媒反応を紹介した。特に,バイオ炭化水素系液体燃料の製造に重点を置いた。今回,取り上げた化学プロセスは,(1)バイオ合成ガスの炭化水素およびアルコールへの変換,(2)植物油の炭化水素への変換,(3)藻類生産油の炭化水素への変換,(4)バイオエタノールの炭化水素への転換,の4種類である。本論文の触媒技術は,これらの化学プロセスを成り立たせる,重合あるいは水素化処理である。重合反応系としてはフィッシャー・トロプシュ合成,混合アルコールの合成およびエチレンのオリゴマー化が含まれ,水素化処理反応系としてはクラッキング,異性化,脱酸素が属しており,それぞれの反応に適する金属触媒,固体酸触媒あるいは金属と固体酸を含む二元機能触媒を開発した。なお触媒の開発では,各種触媒反応の特性に応じて,スラリー式反応器,固定床流通式反応器あるいはオートクレーブバッチ式反応器を用いて評価した。さらに,これらの触媒開発において,活性金属種,担体効果および二元機能触媒における金属と固体酸のバランスについて検討した。これらの触媒およびプロセス開発を通じて,各種バイオマス原料を従来石油由来のガソリン,軽油,LPG燃料,およびジェット燃料と同等の化学組成を有する炭化水素系バイオ燃料に変換するルートを確立することができた。</p>

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