展望・解説: 固体パラ水素中のH<sub>6</sub><sup>+</sup>同位体イオンと捕捉電子の放射線化学

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抄録

極低温照射固体パラ水素中でH2+をコアに持つH6+ラジカルカチオンとその同位体置換体のESR観測・同定に成功し,それらの不対電子構造・回転運動・反応機構の同位体依存性について調べた。H6+の構造はD2d対称で超微細構造も対称であるが,H2+-core H4D2+などの同位体置換体のそれらは非対称化した。4.2 Kの固体パラ水素中でH6+とH4D2+はその構造を保ったまま大歳差運動をしているが,1.7 KでH4D2+は静止するという顕著な同位体効果も見出した。また,照射で生成した電子が水素同位体分子により捕捉されること,H6+が固体パラ水素中をホール移動拡散して水素同位体分子に捕捉され,H6+同位体置換体を生成することを見出した。

収録刊行物

  • 放射線化学

    放射線化学 87 (0), 23-, 2009

    日本放射線化学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390571395584532608
  • NII論文ID
    130008112600
  • DOI
    10.32157/jsrc.87.0_23
  • ISSN
    21880115
    02866722
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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