Over-the-scope clipによる瘻孔閉鎖が奏効した胃癌術後早期発症胃空腸結腸瘻の1例

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  • Successful Fistula Closure Using an Over-the-Scope Clip for Early-Onset Gastrojejunocolic Fistula after Gastric Cancer Surgery

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抄録

<p>近年,消化管術後縫合不全に対してover-the-scope clip(以下,OTSCと略記)による治療成功例の報告が散見される.今回,胃空腸結腸瘻というまれな胃癌術後合併症に対して,OTSCにより瘻孔を閉鎖しえた1例を経験した.症例は68歳の男性で,幽門狭窄を伴う胃癌に対して,幽門側胃切除術を施行した.播種結節を認め,病理組織診断は低分化型腺癌stage IVであった.術後7日目に,縫合不全が疑われたため,経鼻胃管挿入および抗生剤投与を開始した.術後14日目に経鼻胃管の排液が便汁様に変化し,消化管造影にて胃空腸結腸瘻と診断した.術後16日目にOTSCによる瘻孔閉鎖を施行した.OTSC後,瘻孔はほぼ閉鎖したため,経口摂取可能となり,OTSC後18日目に退院した.胃空腸結腸瘻に対するOTSCによる瘻孔閉鎖は,患者のQOLを損なうことなく,身体的,精神的負担を軽減でき,有用であったと考える.</p>

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