新型コロナウイルス感染症の公衆衛生対策に関する意識調査の分析

  • 山内 和志
    東京医科歯科大学 医歯学総合研究科 東京都地域医療政策学講座特任教授 東京都地域医療構想アドバイザー
  • 森脇 睦子
    東京医科歯科大学 医歯学総合研究科 東京都地域医療政策学講座特任准教授 東京都地域医療構想アドバイザー
  • 河原 和夫
    東京医科歯科大学 医歯学総合研究科 政策科学講座教授 東京都地域医療構想アドバイザー

書誌事項

タイトル別名
  • The Analysis of Survey Data on Public Health Measures for COVID-19
  • シンガタ コロナウイルス カンセンショウ ノ コウシュウ エイセイ タイサク ニ カンスル イシキ チョウサ ノ ブンセキ

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抄録

<p>目的 新型コロナウイルス感染症への公衆衛生対策に関して,オンライン調査に協力が得られた集団の回答から意識を明らかにし,今後の対策の検討に知見を提供すること。</p><p>方法 東京都1600人,新規感染者の少ない5県400人の医療・福祉関係者以外の成人を対象にオンラインで意識調査を2020年8月7日に実施し,調査データの統計解析を行った。また,感染に関する情報の提供や求められる生活や行動の制限等の対策に協力することに影響を与える因子を明らかにするため,多変量解析を行った。</p><p>結果 感染に関する情報の提供や求められる生活や行動の制限等の対策に,何らかの協力の意思を示す回答の割合は90%以上あった。対策に協力しない場合,「罰則(法律による罰則など)を適用する」,との回答は3割前後あった。対策への協力については,感染に関する情報が「積極的に公開されるべきだ」,と考え,男性より女性,年齢が高い,感染者が知り合い等に存在しない方が全面的に協力する,と回答する傾向があった。協力する理由は,「感染症の流行を防ぐのに役立つ」,「自分や家族を感染症から守りたい」,との回答が多かった。</p><p>結論 本調査の結果,新型コロナウイルス感染症の対策に対する協力の意識は高かった。一方で,協力しない人には罰則を適用すべき,との回答も一定数認められた。男性,比較的若い世代,感染者が身近にいない成人に対策への協力を促す取り組みを検討することが,今後の対策の検討に向けて有効な方向性となると考えられ,その際に情報公開されることが判断する要素と一つ考えられることがわかった。</p>

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