小児期,思春期・若年成人期発症がん経験者の性・生殖に関する情報および情報源のニーズ

DOI
  • 田崎 牧子
    国立がん研究センターがん対策情報センターがんサバイバーシップ支援部
  • 土屋 雅子
    国立がん研究センターがん対策情報センターがんサバイバーシップ支援部
  • 荒木 夕宇子
    日本電気株式会社健康管理センター新木場健康管理室
  • 丸 光惠
    甲南女子大学看護リハビリテーション学部
  • 齋藤 正博
    大泉学園こども・思春期クリニック
  • 富岡 晶子
    東京医療保健大学医療保健学部看護学科
  • 米本 司
    千葉県がんセンター整形外科
  • 高橋 都
    国立がん研究センターがん対策情報センターがんサバイバーシップ支援部

書誌事項

タイトル別名
  • Information sources and information needs regarding sexuality and reproduction among childhood, adolescent, and young adult cancer survivors

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抄録

<p>【目的】本研究の目的は,小児期・AYA期発症がん経験者の性・生殖に関する情報源とその満足度,情報および情報源のニーズを明らかにすることである.【方法】0~29歳までにがんの診断を受けた20歳以上の者を対象に,無記名自記式インターネット調査を実施した.質問内容は,これまでの性・生殖に関する情報源とその満足度,情報および情報源のニーズである.【結果】有効回答数は107名,調査時平均年齢は31.2歳であった.これまでの情報源は,友人,学校,インターネットが多く(74%~81%),医師(34%)や看護師(17%)は少なかった.情報ニーズは,病気や治療が生殖に及ぼす影響とその対策,恋人やその家族への病気開示,恋人関係や子どもを持つことに関する体験談が上位であった.情報源のニーズは,インターネットや冊子・パンフレット(約50%),同病者や医師(約40%)等であった.【考察】小児期,AYA期発症がん経験者の性・生殖に関する情報ニーズには,これまで着目されてきた生殖に関する内容だけでなく,恋人や家族への病気開示や体験談があることが示された.情報源のニーズは,インターネットや医療者等多様であることが示され,経験者のニーズに合った情報提供が必要である.また,経験者は現状以上に医療者から生殖に関する情報を望んでおり,医療者による情報提供支援体制構築への努力が必要と考えられた.今後は,経験者の情報ニーズの充足度調査,QOL向上に寄与する情報提供支援の検討が求められる.</p>

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