クヌギ植栽地におけるカリウム施用等土壌処理と植栽苗の放射性セシウム吸収

DOI オープンアクセス
  • 益守 眞也
    東京大学大学院農学生命科学研究科
  • 平出 政和
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域
  • 小林 奈通子
    東京大学大学院農学生命科学研究科
  • 田野井 慶太朗
    東京大学大学院農学生命科学研究科
  • 三浦 覚
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所震災復興・放射性物質研究拠点

書誌事項

タイトル別名
  • Radiocesium uptake by planted <i>Quercus acutissima</i> seedling with soil plowing or potassium addition

説明

<p> 2011年の原発事故で放射性物質が降下沈着した地域で,シイタケ原木となるクヌギの新植地に調査区を設け,毎年落葉期に当年生枝を採取し放射能を計測している。調査区の北半分は事故後に掻き起こした造成地で,南半分は放射性物質が降下した地表のままとなっている。表層土の放射能は造成区が南側の3分の1ほどで,植栽前の交換性カリウムも南側の約30 mgK/100g乾土に比べ造成区が約10 mgK/100g乾土と少なかった。南北のさらに半分の区画に20 kgK/10aの塩化カリウムを2017年5月に散布し,翌月にクヌギ苗を植栽した。</p><p> 表層土の交換性カリウム濃度は,散布翌年は両カリウム散布区で高くなっていたが次第に区間の差がなくなっている。当年生枝の放射能は造成区のカリウム非散布区で高く,移行係数が他の区より1桁大きい。事故後に重機で掻き起こし造成したことにより表層土の放射能が下がったが,交換性カリウムの少ない下層土が現れた結果,クヌギへの放射性セシウム吸収が多くなったと考えられる。カリウム散布により造成区では移行が抑制されているようだが,1回だけのカリウム散布では持続性に乏しく効果は限定的であろう。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390571563558021376
  • NII論文ID
    130008117861
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_477
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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