持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)としての遠隔認知行動療法の役割と限界

  • 大井 瞳
    国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター
  • 中島 俊
    国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター
  • 宮崎 友里
    国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター 帝京大学心理臨床センター
  • 井上 真里
    国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター 北里大学大学院医療系研究科
  • 堀越 勝
    国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター

書誌事項

タイトル別名
  • The Role and Limitations of Tele-Cognitive Behavior Therapy in Sustainable Development Goals
  • ジゾク カノウ ナ カイハツ モクヒョウ(Sustainable Development Goals: SDGs)ト シテ ノ エンカク ニンチ コウドウ リョウホウ ノ ヤクワリ ト ゲンカイ

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抄録

<p>国連サミットで掲げられた持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)の保健分野においてはあらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進することが目標に掲げられている。SDGsで重視されている「誰一人取り残さない」という点においては、遠隔での認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy: CBT)が有効な手段となりうる。遠隔CBTは、感染症の拡大、セラピストの不足といった理由で対面のCBTを受けることが困難な場合にもCBTの提供が可能となる手段である。一方で、遠隔CBTが主流となることによって、心理療法提供の適用から外れてしまう人、すなわち、取り残される人が生じるおそれがある。本稿では、遠隔CBTの適用が難しいケースとその支援について、(1)デジタルデバイド、(2)クライエントの病態や障害、(3)緊急対応、の3点から述べた。遠隔CBTの役割と限界を認識したうえで、「誰一人取り残さない」よう心理的援助を提供することの重要性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 認知行動療法研究

    認知行動療法研究 47 (2), 119-126, 2021-05-31

    一般社団法人 日本認知・行動療法学会

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