ウルシ苗の植栽後の初期成長と頂芽食害の影響

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タイトル別名
  • Effect of apical feeding damage on initial growth of Japanese lacquer tree(<i>Toxicodendron vernicifluum</i>) after planting

抄録

<p> 日本の漆文化の保全のため,国産漆生産の増産に関する取り組みがはじまっている。現在のウルシ林資源量は,今後の需要を満たすにはまったく不十分のため,ウルシ林の造成が喫緊の課題となっている。一方で,ウルシは大型の冬芽を形成するが,食害や植栽ストレスで頂芽枯損の被害を受けやすい。本研究では,ウルシのコンテナ苗と裸苗について,山地植栽後の初期成長を調べるとともに,食害等によって被害を受けた個体の回復を観察した。二戸市浄法寺町内で,1年生コンテナ苗と3年生裸苗を植えた地区(2019年5月植栽),2年生裸苗を植栽した地区(2019年11月植栽)の2植栽地で調査をおこなった。獣害とみられる食害は主に冬季間が主であったが,それ以外の頂芽枯損も合わせると,2020年11月の段階で前者の地区では,コンテナ苗で約6割,裸苗で約5割,後者の地区では,4割近い個体が頂芽被害を受けた。被害個体は,側芽伸長によって稚樹高を回復させるものがみられたが,特に後者の地区では地際径に被害の影響が大きかった。この地区では,秋植栽かつ裸苗であり,地下部充実の時間が短かった影響と考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390571563558361600
  • NII論文ID
    130008117714
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_357
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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