風由来の環境ストレスを踏まえた海岸林の樹高成長履歴
書誌事項
- タイトル別名
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- Height growth history of coastal forest based on wind-driven environmental stress
抄録
<p>海岸林は、海岸から吹き込む強風・飛砂・飛塩を防ぐ。樹高が高いほど防風効果が高まるが、海岸林自体も風由来のストレスにより樹高成長が制限される。海岸林動態の予測モデルの開発に向けて、20年生海岸クロマツの樹高成長履歴を調べた。秋田市の林帯幅70mのクロマツ海岸林において、林帯の海側、中間、陸側でそれぞれ2本のクロマツを伐倒し、樹高と枝階痕から過去の樹高を推定した。現在の樹高は海側、中間、陸側の順に高くなり、林帯全体で風衝林形を作っていた。林帯の海側からの距離に対する樹頂高さの勾配は年々増大した。陸側のクロマツは植栽直後を除くと年平均50~60cmの良好な樹高成長があったのに対し、中間は植栽後7年まで、海側はずっと成長抑制を受けていた。また、中間と陸側において2011年と2013年に極端に鈍い樹高成長が見られ、2012年4月の爆弾低気圧の接近(秋田市において10分間最大風速28.9m/s)がその原因であることが推察された。春先の極端な海からの強風が、前年の成長分の枯れ下がりを引き起こし、被害に伴う当年の光合成産物の減少が、翌年の樹高成長鈍化を促したと考えられる。極端な強風が、2つの理由で樹高を制限することがわかった。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 132 (0), 557-, 2021-05-24
日本森林学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390571563558391424
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- NII論文ID
- 130008117918
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可