Galvanic VEMPによって明らかとなったAuditory Neuropathyの前庭神経障害

  • 木村 優介
    国立病院機構東京医療センター・感覚器センター 日本大学医学部 耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野
  • 加我 君孝
    国立病院機構東京医療センター・感覚器センター

書誌事項

タイトル別名
  • Vestibular nerve dysfunction in patients with auditory neuropathy revealed by galvanic VEMPs
  • Galvanic VEMP ニ ヨッテ アキラカ ト ナッタ Auditory Neuropathy ノ ゼンテイ シンケイ ショウガイ

この論文をさがす

抄録

<p>目的:電気刺激(Galvanic stimulation)を用いたVestibular-evoked myogenic potential(VEMP)をおこない前庭神経の機能を評価し,Auditory Neuropathy(AN)に前庭神経の障害を伴うことがあるか否かを明らかにする.</p><p>対象:東京医療センター幼小児難聴・言語障害クリニックを受診し,DP-OAE正常,ABR無反応を呈するAN 8名(男性2名,女性6名)の年齢は6歳3カ月-77歳8カ月(mean ± SD,45.3 ± 29.5歳)を対象とした.</p><p>方法:耳後部の弱い電気刺激により前庭神経を刺激し,胸鎖乳突筋に弛緩反応を引き起こすGalvanic VEMPを行うことで,AN患者の前庭神経の機能評価をおこなった.外側半規管と上前庭神経の機能評価として温度刺激検査,球形嚢と下前庭神経の機能評価としてCervical VEMPをおこなった.</p><p>結論:AN患者8名にGalvanic VEMPをおこない,4名(50%)に両側の反応低下を認め,ANには前庭神経の機能低下を伴う例があることが明らかとなり,ANに伴う前庭機能低下の病態の一つに前庭神経の機能低下が関与している場合があることがわかった.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ