次世代シークエンサーによる遺伝子診断の有用性とピットフォール

  • 野口 佳裕
    国際医療福祉大学成田病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科 信州大学医学部人工聴覚器学講座
  • 西尾 信哉
    信州大学医学部人工聴覚器学講座
  • 宇佐美 真一
    信州大学医学部人工聴覚器学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Usefulness and pitfalls of genetic testing using next-generation sequencing
  • ジセダイ シークエンサー ニ ヨル イデンシ シンダン ノ ユウヨウセイ ト ピットフォール

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抄録

<p>現在までに,120以上の遺伝性難聴の原因遺伝子が発見されてきた.DNAシークエンス技術の著明な進歩が,この発見に貢献してきた.次世代シークエンサー(NGS)を用いた超並列DNAシークエンスは,遺伝子診断の標準的なものとして台頭し,重要な役割を果たし,迅速な遺伝子診断と診断率の向上に寄与している.しかし,NGSは膨大な数のバリアントを同定し,適切な知識がバリアントの病原性の評価に必要となる.バリアントの病原性は,American College of Medical Genetics and Genomicsガイドラインにより,pathogenic,likely pathogenic,uncertain significant,likely benignとbenignに分類される.uncertain significantのバリアントは10%から90%の幅広い病原性を有する.そのため,そのバリアントに対しては,病原性に関する注意深い遺伝カウンセリングが要求される.さらに,遺伝学的検査で明らかな原因と考えられるバリアントが同定されないときは,遺伝学的要因は難聴に関与しないとする説明は回避すべきである.</p>

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