小児橈骨頚部骨折 Wilkins分類 type D の1例

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タイトル別名
  • A rare case report of pediatric radial neck fracture

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症例は7歳女児,階段より転落し左肘関節を受傷,左橈骨近位骨端部が後方に約90度脱転しておりWilkins分類 type D と診断し同日手術を行った.非観血的整復は不可能と判断し外側を展開すると,関節外に脱転した橈骨頭が確認でき,骨幹部との軟部組織による連続性はわずかであった.それを温存するよう愛護的に整復し,骨片が不安定であったために鋼線固定を追加した.術後は3週間で鋼線を抜去し,現在術後16か月で疼痛・可動域制限なく,骨頭壊死も認めていない.転位のある小児橈骨近位端骨折では経皮的手技が推奨されるが,本例のような高度転位例では経皮的手技による整復は困難であり,また繰り返す整復操作は軟部組織損傷を重傷化する可能性がある.高度転位例では経皮的手技にこだわりすぎずに観血的手術を選択し,また重篤な合併症である骨頭壊死を回避するためには早期手術と愛護的操作による軟部組織の温存・修復が重要と考える.

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