O13-2 ICU-AW を発症するも多職種連携により病前ADL まで改善し自宅退院した症例
抄録
<p>【目的】ICU 入室により運動機能、認知機能、精神機能に障害が生じ、ADL 改善に時間を要する患者は多い。今回ICU-acquired weakness(以下ICU-AW)を発症したが多職種連携により、ADL 改善し自宅退院した症例について報告する。</p><p>【症例】70 歳代男性。双極性障害を有するが屋内独歩、屋外一本杖歩行自立、庭木の手入れも行う。要介護2で当法人の訪問リハビリを利用し入院前FIM114 点、TUG13 秒であった。</p><p>【倫理的配慮】今回の発表に際し本人より同意を得た。</p><p>【経過】N-6 日に腎盂腎炎による敗血症性ショックにて入院、N 日重度呼吸不全にて集中ケア病棟入棟し筋弛緩剤併用下で挿管、人工呼吸器管理となった。ABCDEFGH バンドルに沿い医師、看護師とリハビリ介入時期を協議し、N+2 日より腹臥位を含む呼吸リハビリ開始。N+13 日に離床訓練開始しMedical Research Council sum score(以下MRC スコア)32 点、上肢の筋力低下から筆談困難であった。N+15 日抜管するも翌日再挿管。N+19 日より離床訓練再開し、N+25 日気管切開施行。N+29 日一般病棟転棟時のMRC スコア50 点。精神面と円滑な情報共有を考慮し転棟後も同一セラピストが担当。N+31 日昼夜呼吸器離脱し、N+32 日歩行器歩行訓練を開始、N+46 日一本杖歩行自立した。N+50 日気管切開孔閉鎖し、N+54 日当法人地域包括ケア病棟転棟。N+88 日自宅退院時のMRC スコア</p><p>55 点であった。退院時在宅支援スタッフへ情報提供し訪問リハビリ再開、退院直後のFIM111 点、退院後3 ヶ月時のFIM108 点、TUG17.1 秒であった。</p><p>【考察】長期の挿管、人工呼吸器管理に伴うICU-AW 発症によりADL 改善に難渋すると思われたが、多職種との密な情報共有により遅延のない効果的な介入に加え、後方病院及び在宅スタッフとの情報共有によりシームレスな対応がADL 改善に有効だったと考える。</p><p>【今後の課題】ADL 改善は得られたが、身体機能の低下は遷延しており、今後はICU-AW の長期的なフォローについて検討していく必要性がある。</p>
収録刊行物
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- 関東甲信越ブロック理学療法士学会
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関東甲信越ブロック理学療法士学会 40 (0), 72-, 2021
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390571704643251200
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- NII論文ID
- 130008121436
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- ISSN
- 2187123X
- 09169946
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可