シアネートエステル樹脂の高熱伝導化

  • 三村 研史
    三菱電機㈱ 先端技術総合研究所 マテリアル技術部

書誌事項

タイトル別名
  • High Heat Dissipation of Cyanate Ester Resin
  • シアネートエステル ジュシ ノ コウネツ デンドウカ

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抄録

<p>パワーモジュール製品においては,高性能化,コンパクト化が進展し,それに用いられている絶縁材料には高耐熱・高放熱化が求められている。本稿では,高耐熱性に優れたシアネートエステル樹脂に高放熱性,かつ絶縁性を有する高熱伝導フィラーを配合した樹脂複合材料の研究内容を紹介する。シアネートエステル樹脂は高いガラス転移温度(Tg)を示すが,その特性を発現するのに高い硬化温度が必要である。そこで新規リン系硬化促進剤やフェノール化合物により200 ℃以下の硬化温度で高Tg を実現している。また,鱗片状のBN 粒子を凝集させたBN 凝集体を配合してBN 粒子の配向を制御することにより熱伝導率の飛躍的な向上が可能である。耐熱性の高いシアネートエステル樹脂にBN 凝集体を充填することで高い熱伝導率を保持しながら耐熱性と絶縁性に優れた樹脂複合材料を開発している。シアネートエステル樹脂は低粘度で成形性がよく,高耐熱・高熱伝導を実現できるため次世代パワーモジュールなどの絶縁材料として期待されている。</p>

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