自己呈示の内在化は自己欺瞞の産物か―自己欺瞞特性と自己呈示効力感に着目して―

書誌事項

タイトル別名
  • Internalization of self-presentation as a result of self-deception: An examination by focusing on dispositional self-deception and self-presentation efficacy

抄録

<p>自己呈示した方向に自身の認知や行動が変化する現象を自己呈示の内在化という。本研究では,この現象が自身の目標追求に合致した情報を優先させる情報処理の偏りである自己欺瞞の結果として生じるという仮説を検討した。具体的には,(1)自己欺瞞特性が高いほど自己呈示の内在化が強く生じる,(2)(1)の関連は自己呈示効力感に媒介されるという2つの仮説を検討した。39名の参加者が,自身の外向性および自己欺瞞特性に関する尺度(BIDR-J)に回答した1週間後に実験に参加し,外向的もしくは内向的に自己紹介をするよう求められた(順に,外向条件,内向条件と呼ぶ)。その後,再び自身の外向性と自己呈示効力感に関する尺度に回答した。事前に測定された外向性から予測される外向性の値と自己紹介後に測定された外向性の値のずれを自己呈示の内在化の程度の指標として使用した。その結果,両条件において,自己欺瞞特性と外向性の認知の変化に有意な関連は見られず,仮説(1)は支持されなかった。しかし,外向条件では,自己呈示効力感の有意な媒介効果が見られ,仮説(2)が支持された。一方,内向条件では自己呈示効力感の有意な媒介効果が見られず仮説(2)は支持されなかった。</p>

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