飼い主にみられるペット依存状態とペットロス症候群2―ペット霊園の参拝者・施設従事者及び獣医師に対するヒアリング調査の結果より―

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タイトル別名
  • Addiction to pet and pet loss syndrome 2

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抄録

<p>目的</p><p>ペットの死後,何が飼い主の悲嘆からの回復に有効であったと考えているかを明らかにする。</p><p>方法</p><p>1都6県のペット霊園,合計12箇所において,38名のペットの元飼い主および14名のペット霊園のスタッフに対してヒアリング調査を行った。</p><p>結果</p><p>日曜日・祝日には,ペット霊園に多くの参拝者がいた。38名の参拝者は全員が死んだペットの命日に来ていた。また,死んだペットのことが忘れられず,1週間に一度,1か月に一度というように,頻繁に納骨堂に来ている人もいた。頻繁な参拝は,ペットを墓地に埋葬した人には見られず,納骨堂を利用している人に特有の事であった。</p><p>ある納骨堂では,参拝者が自由に語り合えるようにソファを置き,くつろげる場所を作っていた。施設従事者によると,そこで見知らぬ参拝者同士がそれぞれの死んだペットの思い出を語ることがしばしばあるようである。</p><p>施設従事者の共通した意見では,合祀墓に骨を入れず,毎年,使用料を払って納骨堂に数年にわたって骨壺を納めている人の多くがペットロスの状態が続くとのことであった。納骨堂から,墓に骨を埋葬することはペットロスの状態から脱することにかなり有効であると思われた。</p>

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