北部薩南海域におけるメソ動物プランクトン群集の時空間変動

書誌事項

タイトル別名
  • Temporal and spatial variability of mesozooplankton community in the northern Satsunan area, southern Kyushu
  • ホクブ サツナン カイイキ ニ オケル メソ ドウブツ プランクトン グンシュウ ノ ジクウカン ヘンドウ

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抄録

<p>北部薩南海域におけるメソ動物プランクトン群集組成,現存量(個体数密度および生物量),タンパク質合成酵素活性の時空間変動を明らかにした。メソ動物プランクトン現存量では時間および空間変動の両方が,タンパク質合成酵素活性では時間変動が卓越した。メソ動物プランクトン群集中ではカラヌス目およびポエキロストム目カイアシ類が優占し,多変量解析では鹿児島湾口部で季節的に遷移する6系群,湾外の季節性に乏しい2系群に識別された。メソ動物プランクトン現存量は鹿児島湾外よりも湾口部で高かったが,タンパク質合成酵素活性は両海域で同等であった。タンパク質合成酵素活性は水柱平均クロロフィル a 濃度と明瞭な傾向を示さなかったが,個体あたりの体重が小さいほど高くなった。また,水柱平均塩分が低いほど個体あたりの体重が小さく,メソ動物プランクトン個体数密度は増加する傾向を示した。これらの結果から,北部薩南海域におけるメソ動物プランクトン現存量やタンパク質合成酵素活性の時空間変動は,低塩分水の移流もしくは伸展に伴う小型のカラヌス目およびポエキロストム目カイアシ類の流入の影響を受けていることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 海の研究

    海の研究 29 (6), 217-232, 2020-11-15

    日本海洋学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (23)*注記

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