モニタリングするも上気道症状がなく診断が遅れた上気道型気道損傷の1例

DOI
  • 鈴木 源
    さいたま赤十字病院高度救命救急センター 救急科
  • 田口 茂正
    さいたま赤十字病院高度救命救急センター 救急科
  • 林 辰彦
    さいたま赤十字病院高度救命救急センター 救急科
  • 江川 裕子
    さいたま赤十字病院高度救命救急センター 救急科
  • 清田 和也
    さいたま赤十字病院高度救命救急センター 救急科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of inhalation injury in which only monitoring of upper respiratory tract symptoms was insufficient to diagnose the need for airway protection without delay

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抄録

<p>集中治療室で経過観察を行うも, 上気道症状が出現した際に気道確保に輪状甲状靱帯切開が必要であった上気道型気道損傷の1例を経験した。症例は51歳男性で, 自宅火災で顔面 II 度熱傷4.5%, 両上肢 II 度4%を受傷した。咽頭痛, 呼吸困難感, 呼気性喘鳴, 嚥下時痛といった上気道症状を認めなかったため, 救急外来では気道確保を行わなかった。集中治療室で上気道症状をモニタリングして, 有症状時に気道確保を行う方針としたが, 上気道症状出現時には経口気管挿管が困難で, 輪状甲状靱帯切開による気道確保を要した。上気道型気道損傷の上気道のモニタリングにおいて上気道症状の経過観察のみでは気道確保の必要性の判断に遅れをきたす可能性があると考えられた。</p>

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