EUSが診断に有用であった多発膵solid-pseudopapillary neoplasmの1例

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タイトル別名
  • Two synchronous solid pseudopapillary neoplasms detected only by EUS

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抄録

<p>症例は74歳,男性.前医で実施した腹部超音波検査で胆嚢に隆起性病変を指摘され精査目的に当院紹介となった.精査にて胆嚢の隆起性病変は胆嚢腺筋症と診断したが,造影CTで偶発的に膵尾部に径20mmの辺縁石灰化を伴う造影効果の乏しい腫瘍を認めた.MRIでは病変はT1およびT2強調画像で高信号を呈していた.超音波内視鏡検査(EUS)では膵尾部に辺縁石灰化を伴う均一な低エコーの充実性腫瘍を認めた.また,膵体部にCTおよびMRIでは描出されなかった径6mmの円形低エコーの充実性腫瘍も認めた.2病変について超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)を行い,多発膵solid-pseudopapillary neoplasm(SPN)と術前診断し,胆嚢摘出術および膵体尾部切除を実施した.最終診断もSPNであった.今回EUSが腫瘍発見に有用であった多発膵SPNの稀な1例を経験したので報告する.</p>

収録刊行物

  • 膵臓

    膵臓 36 (6), 394-403, 2021-12-28

    一般社団法人 日本膵臓学会

参考文献 (21)*注記

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