末梢性疲労が周期的な筋出力調節に及ぼす影響

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • 「力を入れる」局面と「力を抜く」局面の比較から

抄録

<p>本研究は、持続的な掌握運動による末梢性疲労が周期的な筋出力調節に及ぼす影響について検討し、「力を入れる」、「力を抜く」局面の運動制御メカニズムの一端を明らかにすることを目的とした。女子大学生12名を対象とし、握力計を用いた右手の掌握運動において、0%から最大随意収縮力(MVC)30%への増加(7秒)と30%から0%MVCへの減少(7秒)を1周期として繰り返す、周期的なグレーディング課題を実施した。被験者にはモニター上に呈示される三角波形の目標ラインを正確に追従するよう教示した。25周期を1セット、計8セット行い、課題前後にMVCを実施した。発揮張力、筋電図(橈側・尺側手根屈筋)を記録し、発揮張力から追従過程の目標ラインとの誤差、筋電図の積分値、中央周波数を算出した。統計処理は、出力局面(増加・減少)、セット(1セット・8セット目)、セット内の時間帯(Early: 1-5・Middle: 11-15・Late: 21-25周期)を要因とした三元配置分散分析を行った。MVCは、課題前後で一元配置分散分析を行った。その結果、MVCは課題後が課題前より有意に減少し、掌握運動によって筋出力は低下した。恒常誤差は、減少局面においてMiddleとLateがEarlyよりも、MiddleとLateにおいて減少が増加よりマイナス方向に有意に大きかった。筋電図に関し、積分値は尺側手根屈筋の増加局面においてMiddleとLateがEarlyよりも、撓側・尺側手根屈筋ともに増加が減少よりも有意に大きかった。中央周波数は、尺側手根屈筋において両局面のMiddleとLateがEarlyよりも、全ての時間帯で増加が減少よりも有意に大きかった。これらの結果から、末梢性疲労によって、筋出力調節の正確性への影響は増加と減少で異なり、筋活動パターンに関し、増加と減少、セット内の時間帯で異なる特徴が明らかとなった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572012409867904
  • NII論文ID
    130008137204
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.71.0_301
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ