スポーツ指導者としてのコミュニケーション能力育成の学習プログラムの開発と評価

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • ポストコロナ時代に向けての検討

抄録

<p>近年、急速に進む情報化の波は、人間関係のありように大きな変化をもたらし、深刻な問題を次々と顕在化させている。スポーツの場面においても、指導者による体罰やハラスメントなどの様々な問題が報じられている。これらの問題に共通する要因として、コミュニケーション能力の欠如や低下が指摘される。しかし、コミュニケーションの重要性が強調される中、2019年末辺りから世界中へと拡がった新型コロナウイルス感染症によって生活様式は変化し、人と接触する機会を減らすことやソーシャルディスタンスを保つことが求められるようになった。このような身体的コミュニケーションの機会が大幅に奪われた環境の変化はどのような影響を与えているのか。そこで本研究では、H大学の学生にコミュニケーションに関する質問紙調査を行い、コロナ禍による環境の変容がコミュニケーションにどのような影響を及ぼしたのかを明らかにしていく。そして、ポストコロナ時代のスポーツ指導者としてのコミュニケーション能力育成に向けた学習プログラムを検討するための資料を収集することを目的とした。</p><p>本研究の結果、多くの学生がコミュニケーション能力の低下を感じており、コミュニケーションに関する弊害やストレスが生まれていることが明らかとなった。だが、コミュニケーションの重要性を前年度の受講生達よりも実感している様子も伺えた。表情や身振りなどの言葉以外の表現方法を自発的に工夫している様子も見られ、非言語コミュニケーションへの興味や意識が例年より向けられていた。つまり、コロナ禍の環境に陥って直接的なコミュニケーションに制限がかかり、身体を通したコミュニケーションの機会が失われたからこそ、それらの重要性を再認識したと言える。以上より、コロナによってコミュニケーションへの認識の変容が起こったことが明らかとなった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572012409892608
  • NII論文ID
    130008137429
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.71.0_472
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ