野外教育における概念的「遊び」に関する一考察

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抄録

<p>日本で使われている野外教育の定義は、平成8年の文部科学省の報告書「青少年の野外教育の充実について」の解説文で「野外教育とは、自然の中で組織的、計画的に、一定の教育目標.を持って行われる自然体験活動の総称」であるとされている。</p><p>これまでの野外教育の研究では、野外教育における野外とは何か(土方、2016)、野外教育とはどのような教育なのか(星野、2001)といった「野外教育」の概念定義に関する研究や組織キャンプ前後の参加者への効果検証についての研究が中心である。ところが、実際に行われている野外教育の活動やプログラムのほとんどには「遊び」の要素が多く取り入れられており、野外教育には「遊び」の要素が内在していると考えられる。しかしながら、野外教育における概念的「遊び」を定義づける研究は、自然体験活動の一つとして自明視している可能性があり、概念定義を目的とするという点から極めて少ない。野外教育において「遊び」についてより学際的な視点を持ち、野外教育を立体的に見ることは、野外教育を再考する上で有意義なものになり得るのではないだろうか。また、そもそも「野外教育」という概念が、教育的価値を社会的に認めるところに成り立つ概念であるがゆえに、個別な事案や行為における心理学的なアプローチではなく、野外教育の中で「遊び」を社会的価値の構成の側面から検討してみる必要がある。それは、構築主義的側面から、「遊び」をどのように定義づけていくか、という課題の設定でもある。</p><p>そこで本研究では、一つの視座として、特に構築主義的アプローチから社会学的視点を定めて、野外教育における概念的「遊び」について一考察を行う。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572012411654912
  • NII論文ID
    130008137179
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.71.0_243
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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